PCR検査を心配な人にやらない理由
2020.03.10
コロナの感染が続いています。

PCR検査をして、自分が感染しているかどうかを調べたいと思う方がたくさんいると思います。

しかし、PCR検査はスクリーニング検査としては適切な検査ではありません。

3月10日現在渡島檜山管内の感染確認数は10名です。
両管内の人口は約45万人ですので感染率は0.0022%です。

仮に実際の感染者数がこの10倍の100人いるとします。
4万5千人検査すれば、10名の感染者がいるはずです。

PCR検査で陽性と出る感度は40%程度といわれていますので
10名のうち4名しか検査で分かりません。

感染していない人が陰性となる特異度は90%といわれていますから
陰性と出る人は(45000-10)×0.9=40491です。
これを表にすると下記のようになります。


       感染者   非感染者

検査陽性   4     4499


検査陰性   6    40491


計      10   44990


つまり、4万5千人に対してPCR検査でスクリーニング検査すれば
10名のうち4名しか検査ではわからず、逆に
4499名の感染していない検査陽性者を出すことになります。
この4499名をどこに収容します?
検査を受けて陽性といわれたらどうします?

PCR検査はこの人は肺炎があり、呼吸困難もあり、重症なので、
コロナかどうかを確かめるために検査をするものです。
テレビの変な情報に惑わされないでください。

このデータを見てまだ検査を受けたいと思いますか?
2020.03.10 11:02 | 固定リンク | 診療日誌

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