HPVワクチンのキャッチアップ接種を忘れずに
2024.07.16
来年3月末までの予定で、HPVワクチンのキャッチアップ接種が行われています。27歳までのHPVワクチンを打っていない女性に対する接種です。
この接種は3月末までは無料で行うことができますが、来年4月以降は有料となります。
多くの先進国では男性に接種の枠が広がっていますが、残念ながら日本では女性のみです。

子宮頸がんの好発年齢は20代から30代といわれ、年間約3000人の女性がこのがんによって命を奪われています。また、幸いにして、命が奪われることがなくても、子どもを産むということが困難になる方がほとんどです。
HPVワクチンの副反応についてはいろいろといわれていますが、現在ではその多くはワクチンの起因するもんではないというのが学術的な結論になっています。

どうか、あなたの大切なお子さんをがんからまもり、孫の顔を見るという人間にとって命のつながりを感じる大切なことを経験する喜びを放棄しないでください。

最終的なワクチンの開始日は9月です。

9月までに第1回目を接種できれば年度内に合計3回の接種を受けることが可能です。
2024.07.16 14:58 | 固定リンク | 未分類
インフルエンザの流行
2023.12.31
今年は9月初旬からインフルエンザの流行が始まり、12月29日までにインフルエンザ迅速検査が陽性だった人は659名となりました。当院には2008年からの統計が残っており、それを見るとシーズン途中にも関わらず過去最大規模の流行となっています。流行の始まりは簡易検査ではH3N2というA香港型が主流でした。今年の5月くらいまで流行していたのも同じ型のようでしたので、2003年1月から5月にインフルエンザにかかった人はクラスでインフルエンザが流行してもかからないという状態が続いていました。
11月すぎくらいから、春先にかかったのにインフルエンザに罹る人がパラパラと出始めました。簡易的に検査したらH1N12009という2009年に流行した新型インフルエンザに流行の主体が替わったように思われました。
北海道のインフルエンザのウイルス検出情報でも同様な結果ですので、印象と結果は同じと考えています。
https://www.iph.pref.hokkaido.jp/kansen/fluV/fluV2023-2024.pdf

B型は一部幼稚園で局所的な流行がありましたが、感染力がそれほどでもないのか全体的な流行には至っていません。

ワクチンの流行性に関しては厳密には計算するのは難しいですが、過去の流行から比べると有効性は高いと考えたほうが良さそうです。

12月に入ってからインフルエンザのあとに熱が下がらない、咳がひどい、水分が取れない、食事が進まないなどの症状が続くと受診される方が増えています。中にはインフルエンザ後の細菌性肺炎の方がいらっしゃいますので、隔離期間が過ぎても症状が残っている方は受診されるようお話しております。

今年はインフルエンザとともに溶連菌性咽頭炎に同時に罹る人がいるのも特徴です。
マスクを外す人が増えたのが影響しているのかもしれません。

冬休みはたくさん遊びたいものです。感染症にかからないようにと家にいるのも子どもにとっては発達に影響が出る困ったことです。どんなに注意をしても感染症を100%防ぐのは無理ですから、子どもの魂を家に閉じ込めるのはおやめください。

2023.12.31 08:41 | 固定リンク | 未分類
今年のインフルエンザ感染で見えてくるもの
2023.01.31
1月に入ってから、インフルエンザA型の流行が見られます。
当院で簡易的な方法を使って調べたところA香港型のようです。
札幌市などの報告でもA香港型が優位となっています。

A香港型が流行すると熱性けいれんや入院例が多くなると言われていますが、現在のところ入院が必要なお子さんはいません。また、脳症が発生したとの情報も今のところありません。
今年の特徴はワクチンが発症予防にもある程度効いているようで、新学期が始まったにもかかわらず、爆発的な流行には至っていないことです。流行状況は当院ホームページ内の感染状況を参照してください。
このため、発熱2日目で40℃近い高熱があっても、ワクチンを接種しているお子さんは検査で陰性となることが見られます。検査が陽性でもワクチンをしているお子さんは比較的軽症で、抗インフルエンザ薬を希望されない方もいらっしゃいます。
幸いなことに予想していたとおりですが、コロナ陽性のお子さんはインフルエンザに押されて減ってきています。
このまま、インフルエンザに駆逐されるといいのですが、インフルエンザのほうが子どもにとっては辛いので、痛し痒しといったとことでしょうか。

インフルエンザに隠れてアデノウイルス感染症もパラパラと見受けられますので、インフルエンザじゃないねと言われたけど熱が下がらない、目が充血している、目脂がたくさん出るなどの症状がある場合は再度受診してください。

3月までは発熱を伴う感染症が流行する時期です。
熱があっても元気で水分が取れていればそんなに慌てることはありません。
受診に迷うときは、

https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014010900302/
こちらにある目で見る救急箱や
北海道小児救急電話相談
#8000

などをご利用ください。


2023.01.31 22:50 | 固定リンク | 診療日誌

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